ゲランの「ミツコ」が発売されたのは,1921年のこと。
「ミツコ」を創ったのは,ゲラン家の3代目ジャック・ゲランです。
「ミツコ」の香調も,代々ゲラン家の伝統的な香調を基本にしており,従来の香水の古典的なシプレの処方を踏まえ,その上に時代感覚を付加した香水となっています。
ジャック・ゲランは,「ミツコ」の処方を彼の最も得意としていた,また精通していたモスとフローラルのノートを配して,それらの香調と調和させるため,アンバーを香水の原料として使用しました。
「ミツコ」の原料としては,慎重にかつ大胆に多くの天然樹脂類が配合されています。
「ミツコ」には,オリバナム,ガルバナム,沈香エキスなども含まれているそうです。
「ミツコ」というネーミングもその香調に非常にマッチしたもので,ちなみに,「ミツコ」とは1905年の日露戦争のおり,夫の体面を捨てて,祖国日本の軍略に従った日本の海軍軍人の魅力的な妻の名とされています。
「ミツコ」ほど,男女共に魅力を与え,活力を与え,思慕を与える名香といえる香水は他にないとまでいわれています。